新茶シーズン到来!一番茶の茶摘み体験レポート

前日の雨が嘘のように晴れ渡った2023年4月中旬。

空禅抹茶の抹茶リーフが育てられている
鹿児島県霧島市の茶畑へ行ってきました!

もくじ

  1. 新茶シーズン到来
  2. 茶摘みにも流派がある?!
  3. 茶摘みのあとは「お礼肥え」
  4. 茶摘みの時期の見定め力 
  5. 赤ちゃん茶畑もすくすくと
  6. 茶摘みの舞台裏

■新茶シーズン到来

ちょうど煎茶用一番茶を手摘みすると聞き
地元高校生や茶摘み体験の申込者など
30名ほどと一緒に参加してきました!

  • Cuzen founder, Eijiro Tsukada, smiles brightly as he shows a first harvest matcha leaf that he just plucked himself.
  • Cuzen founder, Eijiiro Tsukada, leans over tea plants during an ichibancha community event. Groups of tea-lovers lean over plants in the background.

例年、一番茶の収穫は5月中旬から下旬に行うのが一般的ですが、暖かい気候の影響で今年はの収穫は早い時期からスタート。農家さんから「今シーズンの初煎茶ができました」と連絡があり、筆者も駆けつけました。

■茶摘みにも流派がある?!

「ここらへんは薩摩両手摘みって言ってね…」と
茶摘みの方法を教えていただく。

「薩摩両手摘み」というのは
3本くらいの枝を優しく両手で覆い
新芽の部分を摘む。

説明が難しいのですが
上下で挟むように茶葉の新芽を
両手の掌で包み、手前にひくようにします。

力の入れ方などコツを掴む必要が。
きっと慣れると早いんだと思うんですけどね。

茶摘みにも地域ごとに手法が違い、
流派があることをはじめて知りました。

■茶摘みのあとは「お礼肥え」

一番茶を収穫したあと、
1ヶ月半ほどで二番茶の収穫があります。

茶摘みのあとはしっかりと
茶の木に栄養を与えるのだとか。

それを「お礼肥え(おれいごえ)」と呼ぶそうです。

もちろんオーガニックで育てているので
与えるのも有機肥料。

茶畑にたっぷりと有機肥料をまくと
土の中の微生物がそれを分解し
それを茶の木が吸収していくのです。

これぞサステナブルですよね。
ただ収穫するだけでなく
おいしい茶葉を育ててくれた茶の木に
「ありがとう」とお礼肥えをする。

なんだか素敵です。

■茶摘みの時期の見定め力

実は茶摘みの前日にも、
生産者さんのところへお邪魔し、
一緒に車で茶畑を回らせていただきました。

本当にあっちにもこっちにも
広大な茶畑が広がるので
どこかひとつくらい存在を忘れても
おかしくないなと思ったりするのですが
さすがにそう言うことはないそうです(笑) 

「ここは やぶきた」「ここは べにふうき」
「あ、これは おくみどりね」と
茶木の品種をご説明いただくのですが

筆者の頭の中は
「なんでわかるんだろう?」という
クエスチョンマークだらけ。

もちろんいつ摘むのが最適か?も
見れば分かるそうです。

これぞ熟練の技!

  • A solitary branch pokes out from under the silver shade that covers the tea plants.
  • A row of matcha tea leaves peek out from under a silver shade.

この茶摘みのタイミングを誤ると
一年かけて育ててきたお茶が
ベストな味わいではなくなってしまいます。

畑の場所や茶の木の品種などにより
最適な茶摘みの時期が異なるため、

この時期は、広大な茶畑すべてを
社長自らが毎日まわり、
どこの茶畑をいつ摘むかを決めるそうです。

「茶摘み」と一言で言っても、
煎茶・一番茶 → 碾茶・一番茶 → 煎茶・二番茶 → 碾茶・二番茶…と、数ヶ月にわたり続きます。

この時期の社長は、まともに寝ていられないので
体力勝負でお茶と向き合っているそうです。

■赤ちゃん茶畑もすくすくと

今回茶摘みをした茶畑のすぐ近くには、
赤ちゃん茶畑も広がっていました。

他の茶畑同様、赤ちゃん茶畑も
山の上にあり、周りを背の高い木々が囲んでいます。

これは飛散農薬から茶畑を守るため。

どこに茶畑を作るかを決め、
自分たちで開拓し、土地をならし
茶の木を育てるのだそう。

収穫できるようになるまでには
複数年かかるとのことでした。

それまでずっと土中の水分量をチェックし、
肥料を与え、元気に茶の木が大きくなるよう育てるのです。

もちろんここも有機栽培なため、
農薬などには頼らずに育てていきます。

日本の緑茶はほとんどが
農薬や化学肥料にたよったものです。

完全無農薬かつ有機肥料で育てる生産者さんは
少ないのが現実。

オーガニックで育てるということは手間がかかります。

また、おいしい茶葉を育てようとすると
しっかりと栄養を与える必要があり
コストがかさむそうです。

ましてや抹茶用の茶の木=碾茶はより手間がかかります。

それでも「おいしいお茶で喜んでもらいたい」と
その手間を惜しむことなく
茶の木と向かい続けてくださる生産者さんには感謝しかありません。

■茶摘みの舞台裏

茶畑と向き合い続けることも大変なことですが

こちらの生産者さんを訪ねると
いつも感動するのがお母さんを筆頭に
全ての来客をもてなす女性陣の存在。

お伺いすると、いつも
お腹いっぱいになるほど
手料理を振る舞ってくださいます。

茶摘み体験日も、
朝早くから準備してくださっていました。

当日は8時に茶畑集合だったのですが
早起きして参加者に振るまう
おにぎりをにぎり
新茶の天ぷらを準備し
参加者をもてなしてくださるのです。

気持ちの良い青空の下
見渡す限り広がる茶畑でいただくおにぎり。

心の底から幸せを感じました。

  • A plate of bamboo-shoot sashimi.
  • A large bright frothy bowl of matcha with an accompanying baked sweet.